おふくろが倒れた1月の7日あたりから、頭の中が真っ白になり、何も考えられなくなる時間が多々あるようになった。どこに相談していいのかもわからず、いいアイデアも一切出ない。このころから精神が崩壊しかけているな、という感覚は薄々気が付き始めていた。
前回の日記でも書いたが、おふくろが倒れてから2週間が経過し、冷静に今の自分を判断してみると、これは鬱だな、と認識するようになった。
過去、何度か鬱になった経験はあるが、原因は漠然とした不安だった。将来に対する漠然とした不安。仕事を辞めたものの、新しい職場がなかなか決まらず、結局死ぬまでこのような状態が続くのではないか、という漠然とした不安が襲ってきたんだと思う。
介護疲れ
その後、短時間、週2回のパートを見つけ、少しずつ前進し、みるみる回復していった。
今回のパターンは少し様子が違う気がする。じゃあ原因は何だろう?と考えてみると、介護疲れだと思う。認知症の介護は本当に大変だ。いや、正確に言うと、要介護2レベル(蛭子さんより若干ひどくなった程度。トイレ、食事は自分でできるが、妄想、徘徊などを行う)であれば、そこまで私生活は変わらない。単に家族がイライラするだけだ。
母の場合は、毎回鍋やお玉、茶わんなどがどこかにしまってしまうので、夕食の準備をするたびにイライラする。
ところが要介護3以上になってくると、まったくレベルが違ってくる。24時間見張る必要はないが、食事、トイレはほぼ手伝ってやらないと何もできない。ベッドから起こすのも一苦労で、椅子から立ち上がらせるのもほぼ一人ではできない。
食事はまだいいが、トイレは毎日毎日うんざりしてくる。しかもしょっちゅう行きたがるのだ。
「小」ならまだそこまでではないが、問題は「大」つまり「便」のほうだ。すでに排せつの仕方自体を忘れているようで、毎日おむつの中にしている状態。しかもどういうわけかパジャマのズボンも汚している。どこをどうすればそこを汚すのかな?という場所が汚れている。たいていはズボンのゴムのあたりだ。
そのせいなのか家の中が臭い。
明日は我が身
さて、私の今の状況を「哀れな人」とか「運が悪い」と思ってお読みだろうか?ほんとうに?
あまり脅かしたくはないが、今回母親の認知症をきっかけに色々な介護や認知症について調べてみたのだが、驚くべき状況が見えてきた。
最近のマスコミは、65歳以上の5人に一人が認知症と伝えている。が、あくまで65歳に絞った場合だ。認知症は早いと40歳ぐらいから発症し始め、20年近く時間をかけて徐々に脳をむしばんでいく。なのでだいたい60歳ぐらいから発症し始める。
また、年とともに発症率も高くなることもわかっている。
私の母親の場合は、2015年(当時80歳)ぐらいから「おや?」と思うようなことが多くなってきた。
が、まだこのころは料理も自分でできたし、買い物もできるレベルだった。2019年年末、そう、新しい仕事を開始するかどうかの忙しい時期に、初めて物忘れ外来に連れて行ったのだった。この時はすでに財布を盗まれた、という妄想で大騒ぎする症状が出てき始めた。もちろん料理も手伝い程度しかできず、買い物もできなくなっていた。
85歳を超えると
先ほど65歳の場合は、5人に1人と書いたが、女性の場合、85歳で調べてみるとなんと二人に1人が認知症らしい。
男性の場合は3人に1人の割合だ。
認知症は軽度のものから重度のものまで幅があるが、確実なのは徐々に進行していくこと、だ。現在の蛭子さんは年も若い(74歳)し、まだまだ軽度だ。多分、要介護1かそれより下の要支援2程度だろう。このレベルだと特養と呼ばれる介護保険が適用される老人ホームには入れない。
母親などの症状を見ていると、蛭子さんはあと2~3年で、ほぼ仕事ができないレベルまで悪化するだろう。
平均寿命は100歳を超えるかもしれない
「自分はそんなに生きないよ~」私の周りでもよく聞くセリフだ。私なんぞ、20代のころは、「40歳まで生きないと思う」と宣言していたほどだ。だが、今の平均寿命の上昇率をあと30年後に当てはめてシミュレーションしてみると、ほぼ確実に女性の平均寿命は90歳程度まで上がる。男性も83歳クラスまで上がる。これは90歳以前で死ぬ人がほとんどいなくなることを意味している。このころ私はだいたい80歳なので、まだまだ平均寿命に届かないことになる。
1960年、日本の平均寿命はなんと男性65歳、女性70歳程度だった。
近所を見てみると
さらに恐るべきデータを紹介しよう。私の周りでは私の父と同じ年の年配の人が父を含め6人いる。ところが、6人のうち、奥さんの介護を必要としていない人はたったひとりだ。そのひとりは、まだ70歳程度なのでこれから先、どうなるかわからない。
みんな病気のことは隠しておくので、詳しい病名はわからない。が、ほとんど年配の女性はぱったり見かけなくなった。西側の隣の奥さんはまだ70代にもかかわらず、数年前から歩けない状態で、たまに外で歩く練習をしている姿を見かけたが、ここ最近は全く見かけたことがない。
東側の奥さんは、足を怪我したらしくやはり介護が必要なようだ。やはりもう何年も見かけない。父親いわく、回覧板を持って行ってもここ数年は見かけたことがないという。
北側の隣の奥さんはもう何年も前から認知症で施設に入っている。
少し離れた父親の同級生の奥さんも、もう何年も前から家に引きこもっている状態なのだという。
さて、実は私も最近、いろいろな芸能人の名前がぱったり出てこない。記憶のテストを兼ねて、「ハリウッド 有名 俳優」で画像検索し、人気スターの顔を見て名前を言い当てる実験をしてみたのだが、なんと半分ぐらいが出てこない。あるいは出てきたにしても思い出すのに時間がかかるのだ。
例えばエディーマーフィーが出てこなかった。ブラットピットも出てこなかったな。
一度名前がわかると、以後はほぼすらすら出てくるのだが、唐突に聞かれると、なかなか出てこなくなってしまった。
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